ナルコスの登場人物とゆかいな仲間たち

「マジックリアリズムは、コロンビアが発祥の地。不可解な事が日常的に起こる。肝心な時に限って、奇妙な事が。」

ナルコス メキシコ シーズン3(あらすじ・ネタバレ)

ナルコス最終章がグランドフィナーレ

2015年から配信されてきたナルコスシーズがついに完結。2017年まではコロンビアの麻薬カルテルを描くオリジナル3部作が話題となり、その後舞台をメキシコに移した。シーズン1が2018年、シーズン2が2020年、そしてこの度最終章となるシーズン3が配信された。また、ナルコスの直接のシリーズではないものの、「エル・チャポ」3部作が2017年~2018年に3部作で配信されている。そんな傑作シリーズを総括、ネタバレあり。ナルコスシリーズひとり総選挙を実施、さいごまでご覧あれ【永久保存版】。

 

目次

最初に一言感想

面白かったのか?

面白くなかったか?

 

結論、超面白かった!!

 

ナルコスシリーズはコロンビア編シーズン3(カリ・カルテル)が一番好きなんだけど、あれには及ばないものの、予想を裏切る大変さわやかなナルコスフィナーレになっていた。

 

これはシリーズ最終章だからこそできた、実験的な要素が成功した賜物ではないだろうか。

 

順番にひもといていきたい。

 

 

 

ナレーションがはじめて女性の声になった

ルイーザ・ルビノ

画像の引用元:IMDb公式サイトより (以下同様)

 

今回のシーズン3でまずびっくりしたのが、アバンタイトルのナレーションに女性が起用されていたこと。

 

ナルコスシリーズの伝統として、ナレーションをつとめるのがそのシーズンの主人公となる。

 

その注目の人物が、こちらのルイーザ・ルビノ。

 

テレビシリーズに多く出演しているようで、映画ではまだ代表作といえる作品はないようなものの、これから注目のひとりだ。

 

場面が頻繁に切り替わり、SF映画のように字幕がつく

もうひとつ今回気になったのは、MCUの「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」で惑星の名前に字幕で説明がついたように、黄色の大きい文字で場所の字幕がつくのが特徴的だ。

 

エルパソ、フアレス、ティファナ、シナロアなど。

 

本当にその場所で全てを撮影していたらすごく大変だったろうな、と心配してしまうくらい、切り替えの描写が多い、気合の入った制作体制だ。

 

話がややこしく感じてしまう複数軸の同時進行

ルイス・ヘラルド・メンデス

さらに特徴的なのが「アメリカン・グラフィティ」「スター・ウォーズ EP1ファントムメナス」なでで展開されていた、複数軸の同時進行。

 

これは演出側にも高度な力量が必要だが、鑑賞側でも混乱しやすい。

 

本作では、主に4つの軸で進んでいく。

 

まずは麻薬カルテル側、そしてアメリカ麻薬捜査局の2つの視点。

 

ここまでは前作までの通りだが、ここに新たに2つの軸が加わったのが新しい。

 

ひとつが冒頭で紹介した、新主人公となるルイーザ・ルビノ演じるアンドレアが属する新聞会社ラ・ボスのジャーナリスト視点。

 

もうひとつがメキシコ警察の視点。ここがわかりづらいが、メキシコ麻薬捜査局と別物。

 

主に登場する警官が、「マーダー・ミステリー」などのルイス・ヘラルド・メンデス演じる新キャラクタービクトル。

 

ある行方不明の少女を追っている。

 

加えて、政府関係の話が絡んできたり、過去作のコロンビア麻薬カルテルが関連したりする。

 

魅力的な新キャラクターが数多く登場する

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ルイーザ・ルビノ、ルイス・ヘラルド・メンデスのほかにもアルベルト・ゲラ、バッド・バニー、ボビー・ソト、イバン・アラゴン、ロレンソ・フェロ、イェシカ・ボロトといった若手組の存在感が抜群。

 

本作でのブレイクにより、世界的な売れっ子スターになって欲しい。

 

新キャラたちは、時には古参の幹部たち以上に画面内で縦横無尽に暴れまわり、フレッシュ描写の数々に貢献。

 

もちろん、ベテランの新キャラたちも素晴らしい。

 

ナルコスユニバースにも負けず、新キャラたちの登場により、マンネリ防止・換骨奪胎効果につながっている。

 

ナルコスシリーズ過去作との交差は最多

ナルコス メキシコ シーズン3

さらにファンサービスを欠かさないのが嬉しい。

 

過去シリーズとのつながり、ナルコスユニバースだ。

 

複数軸の同時進行に加え、これまでナルコス3部作で語られてきたメデジン・カルテルの崩壊、カリ・カルテルとの同盟、さらにバジェ北部のオルランド・エメオまで登場する。

 

そして、ナルコス メキシコの立役者、ディエゴ・ルナが演じるフェリクスも一瞬だが出演。

 

これは「笑っていいとも」最終回の時のような、普段なら競演NGなのに、スペシャルの時だけみられる豪華出演者たちによる夢の競演だ。

 

注目のヴァグネル・モウラが監督をつとめたエピソードについて

ヴァグネル・モウラ

ナルコスシリーズでパブロを演じた、ヴァグネル・モウラはEP3・4の監督を担当。

 

EP4のアバンタイトルメデジン・カルテル壊滅の終局として、パブロ捕獲時のシーンが再現され、劇中ではリアルタイムの事件として扱われる。

 

また、EP3・4でパッチョを筆頭にナルコス シーズン3でのおなじみ幹部4人(ヒルベルト兄弟、パッチョ)が出てくる。

 

やはり、アマドとオリジナル3部作をつなぐ架け橋としての演出には、人より思い入れが強いように感じられる、印象的なEPとなっている。

 

ナルコスのメイン・キャラクターはこちらをチェック↓

narcos.hatenablog.com

 

そして、ヴァグネル・モウラ監督によるEPを挟んでのアクションシーン。

 

クラブ銃撃〜空港での報復戦により、オカンポ枢機卿までも殺害に巻き込んでしまうバイオレンス演出。

 

スピーディーで切れ味が鋭く、臨時感が溢れていて大変よかった。

 

EP3.4は本作において、白眉となる重要EPだろう。

 

ナルコス メキシコ シーズン3 あらすじ・ネタバレ(実話・実在・実録)

エピソードタイトル

Ep1  「潜入捜査」

Ep2  「花のように」

Ep3  「ナルコ・ジュニア」

Ep4  「グアダラハラ

Ep5  「共同戦線」

Ep6  「新たなボス」

Ep7  「ラ・ボス」

Ep8  「最後のひと仕事」

Ep9  「真実」

Ep10  「戦いの日々」

 

※ドラマタイトルの「ナルコス」は麻薬密売人を意味する 

 

ナルコス メキシコ シーズン3のあらすじは、ざっくり以下の通り。

 

アバンタイトル前に前作の振り返り。1980年代、フェリックス逮捕後は統制されていた各カルテルは暴走するといった前作の終わりが語られる。

 

EP1アバンタイトル

1990年代、アマドの飛行機が砂漠に墜落し、政府側の追手が迫り、「マッドマックス」状態になり、アマドは捕まり、麻薬と金は燃やされる。

 

1.アマドは出所後、組織のリスク分散のため、新たな構想である新システムを発案。カルテル内の細分化を図り、全てを掌握するのは自分だけにする。カリ・カルテルとの同盟も果たし、事業は成功する。

 

2. アルジャーノ兄弟とチャポは抗争し、アルジャーノ兄弟のベンジャミンは逃亡し組織は弱体化、チャポは収監される。アマドの天下となるが、先日のカルテルの大ボスたちの失敗から、ここが引き際と見極め、あっさり引退の準備をはじめる。

 

3.アンドレアのスクープにより、麻薬戦争を指揮していたレボジョ将軍とアマドが裏でつながっていたことが暴露され、レボジョ将軍は解雇される。一方、この事件で大々的に放送されたアマドは窮地に立たされ、引退を急ぐ。

 

4. アマドは、四面楚歌状態に陥り、整形手術に挑むが、失敗・死没。黒幕のハンクは、悪事は暴かれなかったが、その数年後他界。ビクトルは、事件の尻尾をつかむも、フェミサイド問題に首を突っ込み過ぎてしまい、粛清される。アルジャーノ兄弟とチャポは、王座奪還を目指すが、マヨがチャポ側につき、ラモンは粛清される。ウォルトは、エルパソから異動の意思を固める。

 

ナルコス メキシコ シーズン3 名場面ハイライト(評価・解説・考察)

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誰もが想像したような、ド派手なドンパチ抗争劇が繰り広げられる、といった展開にはそこまで発展しなかったのは、いい意味で予想を裏切られた。

 

少ないながらそういった見せ場は、アルジャーノ兄弟とチャポとの銃撃戦がメイン。

 

メキシコ麻薬カルテルについての描写も少なく、ほとんどがアマド、アルジャーノ、チャポについてのみ。

 

メキシコ麻薬戦争の過激な銃撃戦・地獄絵図を観たい人は、エル・チャポシリーズをオススメする。

 

narcos.hatenablog.com

 

カルテルが乱立し、まさに戦国時代そのものだ。

 

ナルコス メキシコ シーズン3は、そういった方向でそもそも制作されていない。

 

しかしながら、これが悪い方向にはいかず、結果的にはよかった。

 

描こうと思えば、そういった描写も多く出来たはずだが、冒頭で触れたように女性ナレーションの起用、地名の字幕、複数軸の同時展開によって、他のシーズンとの差別化がされていた。

 

これまでのシリーズと比べて、人間ドラマに重きを置いた、アマドの天下らしい大人っぽい仕上がりとなっていて、フィナーレを飾るのに相応しい仕上がりになっている。

 

今回の制作陣スタッフ変更による功績だろう。

 

また、ナルコスユニバースもやり過ぎず、あっさりしていてよかった。

 

そして、新キャラたちのことごとく魅力的。

 

それでもシリーズ最高傑作にならなかった要因としては、「エル・チャポ」のシーズン1で大部分を観ていたので、真新しい情報にはやや欠けていたところ。

 

そういった意味では、ビクトルが追ったフェミサイドのストーリーをもう少し膨らみを持たせてもよかったのでは。

 

それでも、このようなフレッシュな演出の数々により、これまでと比べて新しい斬新なシーズンになっている。

 

さいごに、アマドの結末について。

 

アマドの死については、「エル・チャポ」シーズン1で知っていたが、本作でも同様に整形手術の失敗により死亡となっているが、やはり腑に落ちない。

 

おそらくナルコスシリーズでいちばんの成功者なので、勝ち逃げしたはず。

 

誰もが整形してそのまま逃げきったと思ってしまうが、真相は闇の中。

 

男の浪漫がある。

 

ツイッターの声

 

 

 

 

 

 

 

 

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https://twitter.com/dvvi23/status/1457264555571093510

 

 

 

 

 

 

 

 

 

https://twitter.com/amakidei/status/1460222872245334019

 

 

 

 

ナルコス メキシコ シーズン3 キャラクター紹介

アメリカDEA

ウォルト・ブレスリン (キャスト:スクート・マクネイリー

前作は主人公だったが、本作では潜入作成は失敗し、家庭の問題で異動願いを出すなどくすぶっている。

 

妻と共にエルパソからシカゴに異動するはずだったが、オカンポ枢機卿殺害事件実行犯逮捕の為、ダニと別居しティファナへ赴任し、巻き返しを図る。

 

クリステン・グートスキー

ダニ(キャスト:クリステン・グートスキー)

 

本シーズンより初登場。

ウォルトの妻。

 

ハイメ(キャスト:マット・レッシャー)

エルパソ支局長。 ウォルトの上司。 

 

メキシコ政府関係

Manuel Uriza

C・ハンク・ゴンザレス(キャスト:Manuel Uriza)

 

本シーズンより初登場。

メキシコ政府の黒幕。通称プロフェッサー。

 

表には出ないが、長年に渡り実権を握り、表も裏も牛耳っている。

 

メキシコ大統領(キャスト:アドルフォ・マデラ)

実際はどうだったかは不明であるが、本作ではハンクの飾り人形となっている。

 

ホセ・ズニーガ

ヘスス・エクトル・レボジョ将軍(キャスト:ホセ・ズニーガ)

 

本シーズンより初登場。

メキシコ軍人。

アメリカと共同して、オカンポ枢機卿殺害事件の実行犯逮捕作戦を仕切る。

 

メキシコ警察署

ルイス・ヘラルド・メンデス

ビクトル・タピア(キャスト:ルイス・ヘラルド・メンデス)

 

本シーズンより初登場。

犯罪に手を染めなければならないほどの安月給で、いろいろ悪事に手を出しつつ、行方不明の少女を追う。ビジランテ路線を歩む警官。

 

Damayanti Quintanar

テンチ・タピア(キャスト:Damayanti Quintanar)

 

本シーズンより初登場。

ビクトルの妻。

 

メキシコ新聞会社

ルイーザ・ルビノ

アンドレア(キャスト:ルイーザ・ルビノ)

 

本シーズンより初登場。

フアレスの零細企業である新聞会社ラ・ボスの女性レポーター。

 

若い女性なのに、危険な場所・人物にも怖気づくことなく、ひとりでも真実を求め果敢に取材に挑むジャーナリスト魂の持ち主。

 

ウォルト・プレスリンに代わり、本シーズンの主人公。 ナレーター。

ナルコスシリーズでの女性がナレーターをつとめるのは初。

 

アレックス・フュルト

サルガド(キャスト:アレックス・フュルト)

 

本シーズンより初登場。

ラ・ボスの創業者かつ編集長。

 

メキシコ麻薬カルテル

アマド・カリージョ・フエンテス (キャスト:ホセ・マリア・ヤスピク)

 

フアレス・カルテルのボス。

 

政府、関係カルテルとも手を組み、時代への適応力を発揮し、一時代を築く。

 

特に、新システムを提唱し、リスク分散のため組織を細分化し、すべてを掌握する手法を展開は見事。

 

この手腕により、メデジン・カルテル崩壊後に、カリ・カルテルと同盟を結ぶ。

 

また、シナロアとティファナ・カルテルがもめている最中に、ハンクと話をまとめるタイミングよさは秀悦。

 

ノエ・エルナンデス

アギラル(キャスト:ノエ・エルナンデス)

 

本シーズンより初登場。

アマド不在時のボスだったが、フアレス・カルテルに戻ったアマドに粛清される。

 

Fernando Bonilla

ビセンテ(写真:右 キャスト:Fernando Bonilla)

 

本シーズンより初登場。

アマドの弟であり、部下に加わる。現場を仕切る。

 

Eugenio Rubio

コラル(キャスト:Eugenio Rubio)

 

本シーズンより初登場。

アマドの経営補助として、会計を仕切る。

 

イェシカ・ボロト

マルタ(写真:中央 キャスト:イェシカ・ボロト)

 

本シーズンより初登場。

アマドの恋人であるキューバ人。浅黒い肌でアフロヘアのピアニスト。

 

ベンジャミン・アルジャーノ・フェリクス (キャスト:アルフォンソ・ドーサル) 

 

ティファナ・カルテルのボス。

アルジャーノブラザーズの兄。 

 

エネディナ・アルジャーノ・フェリクス (キャスト: マイラ・エルモシージョ

 

アルジャー兄弟の真ん中の女性。

兄弟とともに、ティファナ・カルテルを経営する。

 

今回は、大手弁護士のクラウディオ・バスケスと結婚し、幸せの絶頂だったが、それもつかの間。

 

ベンジャミンの40才のパ-ティで、チャポたちに襲撃され、クラウディオは粛清されてしまう。

 

ラモン・アルジャーノ・フェリクス (キャスト: マヌエル・マサルバ)

 

ティファナ・カルテルのボス。

アルジャーノ兄弟の末っ子(弟)。

 

ボビー・ソト

バロン(写真:左 キャスト:ボビー・ソト)

 

本シーズンより初登場。

アルジャーノ兄弟の部下。カルテルの用心棒を務める元伝説のギャング。

 

イバン・アラゴン

ルフレド・ホドヤン(キャスト:イバン・アラゴン)

 

本シーズンより初登場。

アルジャーノ兄弟の部下。ラモンの右腕。

 

ロレンソ・フェロ

アレックス・ホドヤン(キャスト:ロレンソ・フェロ)

 

本シーズンより初登場。

アルジャーノ兄弟の部下。アルフレドの弟。

 

バッド・バニー

キティ(キャスト:バッド・バニー)

 

本シーズンより初登場。

上流階級の子息だが、ティファナ・カルテルのナルコ・ジュニアとして好き勝手に暴れている。

 

ホアキン・グスマン (キャスト: アレハンドロ・エッダ)

 

通称:エル・チャポ。

 

シナロア・カルテルのボス。

アルジャーノ兄弟と抗争を繰り返している。

 

後にシナロア・カルテルは天下を取るが、この時はまだ業界最下位でもがいている。

 

アルベルト・ゲラ

イスマエル・エル・マヨ・サンバダ(キャスト: アルベルト・ゲラ)

 

本シーズンより初登場。

通称:マヨ

 

カルテルには属さないが、麻薬をさばくやり手。

 

「エル・チャポ」シリーズでは、チャポの右腕として、組織をまとめる重要人物だが、それはまだ先の話。

 

本作では1匹狼的な立ち位置。終盤でやっとチャポ陣営につき、ティファナ・カルテルをかき乱す。

 

ナルコスシリーズひとり総選挙

さいごに、これまでシリーズを観続けた著者がフィナーレを記念して、ひとり総選挙を実施。

 

あなたはどれが好き?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナルコス メキシコ シーズン3 作品情報

配信:2021年11月5日

出演:ウォルト・ブレスリン

   ホセ・マリア・ヤスピク    

   アレハンドロ・エッダ

時間:エピソード10話

見所:すでにこれまで書いた通り。

   兎に角、ナルコス ユニバース グランドフィナーレを味わうべし!

 

ナルコスシリーズのまとめはこちらをチェック↓

narcos.hatenablog.com

 

まとめ

・ナルコス メキシコ シーズン3 あらすじ・ネタバレ(実話・実在・実録)

・ナルコス メキシコ シーズン3 名場面ハイライト(評価・解説・考察)

ツイッターの声

・ナルコス メキシコ シーズン3 キャラクター紹介

・ナルコスひとり総選挙

・ナルコス メキシコ シーズン3 作品情報

 

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