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【中国映画】おすすめ最低限みておくべき10作品はこれ!

 

~中国映画の新時代がもたらす最先端への誘い〜

ウー・ティエンミン/チェン・カイコー/チャン・イーモウ/チャン・ウェン/ジャ・ジャンクー/ロウ・イエ/ワン・シャオシュアン/ワン・ビン/ディアオ・イーナン/フー・ボー/ビー・ガン and more!魑魅魍魎あふれる中国を代表する映画作家たち。極私的なおすすめ映画を紹介したい。

目次

【中国映画】の時代がくる

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※画像の引用元:IMDb公式サイトより(以下同様)

 

興行収入1000億円突破の「戦狼 ウルフ・オブ・ウォー」を筆頭に、中国歴代興行収入を更新しまくって全世界で公開されている。

 

・こんにちは、私のお母さん 2021年 (約964億円)

 

・長津湖 2021年 (約900億円)

 

・流転の地球 2019年 (約760億円)

 

・薬の神じゃない 2018年 (約500億円)

 

これからは、日本の映画人やNetflixが中国映画市場へ進出が進むと予想されている。

 

【中国映画】監督世代論

北京電影学院は、中国の人材を専門に養成する名門映画大学。

この大学の卒業生を中心に、中国の映画監督を第○世代と呼ぶことは有名だ。

 

以下代表例。

ウー・ティエンミン (第4世代)

チェン・カイコーチャン・イーモウ(第5世代)

ジャ・ジャンクー、 ワン・シャオシュアイ 、ロウ・イエワン・ビン(第6世代)

・ルー・チュアン、ニン・ハオ(第7世代)

・フー・ボー、ビー・ガン(第8世代)

・その他新鋭監督

 

中国映画も超大作やメガヒットを狙ったストレートな作品と、作家性の強いアート系の作品に大別している。

 

ここでは、極私的なおすすめ映画として、後者の監督論に沿った作品を紹介したい。

 

尚、台湾・香港映画は関連作品にて。

 

【中国映画】おすすめ最低限みておくべき10作品はこれ!

・活きる (1994年)

 

1994年カンヌ映画祭グランプリ、男優賞受賞。

中国映画第五世代の監督チャン・イーモウの傑作のひとつ。

 

本作は、激変する中国の40年代から60年代が舞台となっている。 それぞれ年代ごとに、中国歴史上の出来事によって翻弄されつつも、逞しく生きるある家族を描いた人間ドラマ。

 

厳しく突きつけられる現実時に、ユーモアを交えながら、とても観やすく描かれている。

 

1940年代(国共内戦及び三反五反運動)、1950年代(大躍進)、1960年代(文化大革命)に起きた政治的な背景に丁寧に描いているので、中国近代史を学ぶにも価値のある作品、必見。

 

同じタイトルで思い出すのは、「生きる」。 テーマが似ていて、貧困層の人民たちを描いている、「ダニエル・ブレイク」、「万引き家族」、「パラサイト 半地下の家族」にも通じるものがあり、同様にカンヌで受賞を果たしている先駆者的作品だ(これら3作品はパルムドールだが)。

 

・ふたりの人魚 (2000年)

2000年、ロッテルダム国際映画祭タイガー・アワード受賞、東京フィルメックス最優秀作品賞受賞、パリ国際映画祭最優秀主演女優賞受賞。

 

ロウ・イエの初期代表作。 上海の工場地帯、荒廃した街並み、河辺の人々。ネオンきらめく看板のBAR。 幻想的な映像に吸い込まれていく。

 

ふたりの人魚と男たちを巡って、カメラの視点が切り替わる入れ子構造、交差が見事だ。 中国4大女優の1人と称されるトップ女優ジョウ・シュンの初期代表作でもあり、あどけない少女と妖艶な踊り子を演じ分け、美貌を振りかざしている。

 

ロウ・イエは、2006年「天安門、恋人たち」の制作により、当局に5年間の国内での映画製作禁止を命じられる。

 

しかし、2009年「スプリング・フィーバー」でカンヌ脚本賞、2014年「ブラインド・マッサージ」ではベルリン国際映画祭銀熊賞受賞のほか、台湾のアカデミー賞金馬奨で作品賞を含む 6 冠を受賞。

 

世界中のから絶賛されており、国際的に活躍している。

 

北京ヴァイオリン (2002年)

中国映画第五世代の監督チェン・カイコーの傑作のひとつ。

 

ストーリーは直級過ぎるくらいど真ん中ストレート。 中国クラシック界でヴァイオリンを愛する13歳の成長を描いたもの。

 

野球のピッチャーで例えるなら、扱う球種の多さよりも、緩急が効いていて制球力により、投げ方のバリエーションが豊かで、三振狙いであったり、打たせて取ったり、投げ分け方の巧さで沈黙させるタイプ。

 

結果的に、完全試合ではないものの、最後まで隙を見せず、キッチリ抑え込んで完封勝ち!といった文句なしの出来栄えは、さすがはチェン・カイコーの代表作のひとつ。

 

例えば、父と子の下り、ヴァイオリンの演奏シーンは、三振でバッタバッタと切られる力の入りよう。

 

それに比べて、リリや師匠とのやり取りは、打たせて取る感じ。 加えて、均衡した試合だと最後は投手自らが打席に立って試合決めに行き、見事にさよなら勝ちといった展開。

 

このようなチェン・カイコー劇場の試合運びとなる。

 

本作は、匠の技量が随所に観られる見応えがあり、細かいシーンを何度も観たくなる、大変すがすがしい傑作だ。

 

・我らが愛にゆれる時 (2008年)

 

幼い娘が病気になってドナー移植が必要になってという話だが、非常に深みのあるストーリー構造の作品。

 

ベルリン国際映画祭銀熊賞(脚本賞)も納得の大傑作だ。

 

そこにはりめぐらされた複雑な家庭環境、大切なものが天秤にかかったときの心理描写、頭ではわかっていても善悪の区別がつきづらい異常事態、さらに時間的制約など。

 

中国映画第6世代を代表する監督のひとり、ワン・シャオシュアイは、デビュー作の「ルアンの歌」のときから、ねじれた愛をテーマとして描いていたが、その後「北京の自転車」、「シャンハイ・ドリーム」を経て、本作では飛躍的に進歩。

 

また、出てくる女性たちが非常に魅力的に描かれているのも特徴だ。

 

・罪の手ざわり (2013年)

本作は、中国映画第6世代を代表する監督のひとり、ジャ・ジャンクーの作品。

カンヌ映画祭脚本賞の本格派4つのオムニバス映画。

 

ゆったりと流れる時間の中で、儚くも美しかったり、殺伐としたシーンが違和感なく挿入されていたり、高度な映像テクニックが駆使されている。

 

それぞれが独立した作品ながらひとつの映画としてまとまっているので、どれもが主役級で、大変手間がかかっていると思われる。

 

実在の事件がベースとの事で、インスパイアされた事件を深掘りしたくなる、変動の中国社会の中に蠢いている物語だ。

 

・薄氷の殺人 (2014年)

第64回ベルリン国際映画祭でグランプリと男優賞の2冠達成。

中国北部の地方都市が舞台のノワール映画。監督3作目となるディアオ・イーナン。

 

その類い稀な演出・映像センスが全編に冴え渡るアートな作品。

説明的なシーンやセリフが極端に少なく、映像で語ることができる映画。

 

地方都市を包む闇のダークな画に映えるネオンの灯り。メリハリの強い豊かな色彩が独特のムードを醸成し、没入度が倍増。

 

トンネルを通り抜け1999年の夏から2004年の冬へ移行する独特のカメラワーク。 スケートシーンなどの長回し

 

唐突かつ、フレッシュなバイオレンス描写など見所は多い。ミステリー要素の面白さも高まるファム・ファタールの存在。

 

グイ・ルンメイが幸の薄い謎の美女を、その魔性の魅力に翻弄される鬱屈した元刑事にリャオ・ファン。

 

ミニマルながら人間ドラマも濃厚。 原題の「真昼の花火」にあらわれているように、さいごまで美しくエモーショナル。

 

・迫り来る嵐 (2017年)


 2017年に東京国際映画祭でワールドプレミア上映、最優秀男優賞と芸術貢献章。台湾金馬奨で国際批評家連盟賞。

 

監督は、初長編作となるドン・ユエ。 主演は、名優ドアン・イーホン。

 

ダーク、ヘビーな追跡劇を台詞は少なく画で語ってくるタイプの演出、ミニマルな音楽で淡々と進むノワール映画。

 

中国版「殺人の追憶」をやりたいのがよくわかる。 同作と比べても、ユニークなのがシュールな世界観とそれを助長する画作り。

 

モノクロかと錯覚するような冬の灰色のトーンで統一した景色。 そして、溺れてしまいそうな豪雨と、思わずむせ返りそうなほどのたばこのスモークが画面を占有している(注:やや大げさに表現)。

 

初見時は何ともつかまどころのない、とっつきにくい印象であるが、何度も繰り返し鑑賞したくなる嗜好性の高い傑作だ。

 

・象は静かに座っている (2018年)

 

第68回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞と最優秀新人監督賞スペシャルメンションを、第55回金馬奨で最優秀作品賞、脚色賞、観客賞受賞。

 

監督のフー・ボーはこれが長編デビュー作だったが、作品完成直後に29歳の若さで自殺しており、その後に公開されているため、デビュー作にして遺作となっている。


世界を熱狂させた魂の234分は、フー・ボー監督が自身の短編小説を映画化した人間ドラマ。

 

一日中座っているだけの象の噂を聞きつけ動物園を目指すという自身の短編小説を映画化。

 

メインの出演者は、若い男女の学生、男性の高齢者、若いのやくざ者の4人。

 

フー・ボーは他にも短編映画「Man in the Well」を監督しており、「象は静かに座っている」のDVD特典映像として収録されている。

 

・ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ (2018年)

 

2018年のカンヌ国際映画祭ある視点部門でプレミア上映のほか映画祭への出品で世界を席巻。金馬奨では、撮影・音楽・音響の3部門を受賞。 

 

初監督作「凱里ブルース」では金馬奨で最優秀新人監督賞に輝き、注目を集めた中国の第8世代監督ビー・ガンの第2作。

 

製作費は「凱里ブルース」の約320万円から「ロングデイズ・ジャーニー」は約6億4000万円へ昇格。

 

「凱里ブルース」では、出演者の大半が監督の家族や親戚・友人などがキャスティングされている低予算の作品から、「ロングデイズ・ジャーニー」では、キャストもタン・ウェイ、ワン・チーウェンなどが出演するなどスケール感が大幅にグレードアップ。 

 

久しぶりに故郷に戻った主人公が、現実・過去の記憶・夢が混在する世界に踏み込む。

 

前半は、ファムファタールを追うノワールものだが、後半は一変し、特に劇場では、後半60分が3Dという仕様で上映された。

 

シンプルながら、作り込まれた世界観は観るものを圧倒し、万華鏡のような夢幻の映像体験。唯一無二のビー・ガンだけが持つユニークさだ。

 

「めまい」、「ノスタルジア」、「鏡」、「ストーカー」、「マルホランド・ドライブ」、「ブレードランナー」、ウォンカー・ウェイ作品などの作品に通じる逸品。

 

アン・リーチェン・カイコーポン・ジュノ、ギエルモ・デル・トロ、坂本龍一松本大洋ら絶賛。

 

・春江水暖 (2019年)


2019年カンヌ国際映画祭批評家週間のクロージング作品。

 

中国富陽、富春江が流れ、四季があるこの街で、2年かけて撮影したという季節の移ろいと都市化してゆく街並みの変化が映し出される。

 

市井のファミリーの大河ドラマで、老いた母親と4人の息子、さらにその家族たちの3世代が織りなす人間模様。

 

山水画のような映像が最大の見所で、これでもかと言うほどに長回しが多用され、監督の美学を観せつけられる。

 

中国映画の新たな才能を見せつけた新人監督グー・シャオガンの傑作。 また、出演俳優たちの多くは、監督の親戚たち。

 

アバンタイトル 家族の人間関係を瞬く間に理解させ、街の変化も知らしめ、おばちゃんが脳梗塞で倒れてしまうまでを一気に描ききる演出手腕。

 

そしてタイトルが出る。この作品の監督が只ものではないことが伺える。

 

季節の移り変わり、家族たちの人間ドラマは、監督デビュー作にしてすでに巨匠の雰囲気を醸し出している。

 

【中国映画】おすすめ最低限みておくべき10作品関連作

・赤いコーリャン (1987年)

・菊豆 (1990年)

・紅夢 (1991年)

・變臉/この櫂に手をそえて (1996年)

初恋のきた道 (1999年)

・北京の自転車 (2000年)

・青の稲妻 (2002年)

・世界 (2004年)

・ココシリ (2004年)

・シャンハイ・ドリームズ (2005年)

・長江愛歌 (2006年)

天安門の恋人たち (2006年)

クレイジー・ストーン翡翠狂騒曲〜 (2006年)

スプリング・フィーバー (2009年)

・二重生活 (2012年)

・収容病棟 (2013年)

・ブラインド・マッサージ (2014年)

・凱里ブルース (2015年)

・ソウルメイト (2016年)

・鵞鳥湖子の夜 (2019年)

・少年の君 (2019年)

 

香港映画

いますぐ抱きしめたい (1988年)

欲望の翼 (1990年)

恋する惑星 (1994年)

天使の涙 (1995年)

ブエノスアイレス (1997年)

花様年華 (2000年)

・2046 (2004年)

・さらば、我が愛 (2008年)

 

台湾映画

非情城市 (1989年)

・牯嶺街少年殺人事 (1991年)

・推手 (1991年)

・ウェディング・バンケット (1993年)

・恋人たちの食卓 (1994年)

藍色夏恋 (2002年)

・改革七号/君思う、国境の南 (2008年)

・ひとつの太陽 (2019年)

・返校 (2019年)

・弱くて強い女たち (2020年)

・瀑布 (2021年)

 

まとめ

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・【中国映画】の時代がくる

・【中国映画】監督世代論

・【中国映画】おすすめ最低限みておくべき10作品はこれ!

・【中国映画】おすすめ最低限みておくべき10作品関連作

 

PS.個人的【中国映画】ベストランキング(香港・台湾映画除く)

・活きる (1994年)

・ふたりの人魚 (2000年)

北京ヴァイオリン (2002年)

・我らが愛にゆれるとき (2008年)

・罪の手ざわり (2013年)

・薄氷の殺人 (2014年)

・迫り来る嵐 (2017年)

・象は静かに座っている (2018年)

・ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ (2018年)

・春江水暖 (2019年)

 

今回取り上げた10作品以外のレビュー、最新情報はFilmarks(フィルマークス)で更新中↓

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